血圧上昇抑制のメカニズム

血圧上昇抑制作用のメカニズムについては、Yamamotoらによって報告されています

※Yamamoto M. et al., Nutrition, 25 470-476 (2008)

血圧のコントロールには血管内皮細胞によって合成される一酸化窒素(NO)が関与しています。

内皮中のNOは、L-アルギニンを基質に内皮型一酸化窒素合成酵素(endothelial NO synthase: eNOS)の作用により合成され、このNOがさらに血管平滑筋の酵素(グアニレートシクラーゼ)を活性化することによって血管が弛緩すると考えられています。

このことから、NOは血圧のコントロールに深く関わる因子の一つと捉えられています。
しかし、NOは活性酸素であるスーパーオキシドにより分解されやすい性質を持ち合わせています。
そのため、ストレスや疲れ、食生活の乱れなどによりスーパーオキシドが増えると、NOが減少し、血圧上昇に繋がります。

糖転移ヘスペリジンは、スーパーオキシドを合成する際の鍵になる酵素、NADPHオキシダーゼの遺伝子発現を抑えることが、ラット試験において明らかになりました。

つまり、糖転移ヘスペリジンはNADPHオキシダーゼを抑制することによって、スーパーオキシドの発生を減らし、NOの分解を防ぎます。NOを維持することで、NOの血管弛緩作用を効果的に発揮させることができ,結果として血圧が下がると考えられています。

血圧上昇抑制のメカニズム

血圧上昇抑制のメカニズム